マルチ商法の被害事例と対処法。ねずみ講とは違うの? – キャッシングのマネカフェ

 

2016年3月、健康食品や化粧品を販売する「ナチュラリープラス」に一部業務停止命令が下されました。年間売り上げ216億円(2015年)のマルチ商法業界大手の会社です。

 

マルチ商法は、特定商取引法という法律で規制されている「連鎖販売取引」で、この取引自体は違法ではありませんが、しくみ上、トラブルになりやすい取引だといえます。

 

実際、国民生活センターには、マルチ商法に関連する相談が毎年1万件前後寄せられており、多数の被害がでています。

年度 2010 2011 2012 2013 2014 2015
相談件数 11,634 10,236 10,180 10,032 11,907 9,209(前年同期 9,729)

相談件数は2016年2月29日現在(2015年度から経由相談の件数を除いています)

※国民生活センターHPより(http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/multi.html

 

そこで今回は、マルチ商法とはどんなものなのか?被害事例、被害に遭ってしまったときの対処法などについて詳しくみていきたいと思います。

 

 

マルチ商法とは?

 

マルチ商法とは、商品やサービスを契約して会員になったひとが、同じように友人や知人などを入会させ、新たに会員になったひとがさらに新しい会員を入会させていくことで、組織を大きくしていく販売方法です。

 

ネットワークビジネス」や「システム販売」などと呼ばれることもあります。

 

会員は、自らが勧誘して新たに会員を増やすことができれば、紹介料などのお金がもらえるしくみになっているために、“商品・サービスがいいものだから”ではなく“紹介料が欲しいから”勧めたり、強引な勧誘をしてしまうというところが問題とされています。

 

ironnashohin

販売される商品・サービスは、健康食品や化粧品が多いのですが、美容機器、布団、アクセサリー、インターネットのサイト、オンラインゲーム、出資などさまざまなものがあります。

 

 

「マルチ商法」と「ねずみ講」は違うの?

 

マルチ商法と同じように、連鎖的に会員が増加していくしくみを持つ「ねずみ講」がありますが、この2つは別物として区別されています。

kaisouimg

 

ねずみ講は、出資した額を超える金銭を受け取ることを目的としている金銭配当組織です。

後に入会したひとの出資金が先に入会したひとへ渡されるしくみになっているので、人口が無限にない限り加入者全員が儲かることはありせん。

 

例えば、

最初の加入者が3人を勧誘し
3人の加入者が翌月に3人ずつ勧誘し
9人の加入者がその翌月に3人ずつ勧誘し

と、繰り返していくと、加入者数は10ヵ月後におよそ6万人に、20ヵ月後には35億人にもなる計算です。

すぐに破綻してしまうのは明らかですね。

 

そのため、ねずみ講は『無限連鎖講の防止に関する法律』で禁じられている違法行為となっています。

 

一方、マルチ商法は、商品やサービスなどの販売方法のひとつ(連鎖販売取引)としてとらえられています。

販売成果に応じた報酬が支払われるしくみになっているので、そのひとの才覚によっては儲けをだすこともできるということなのですが、簡単ではありません。

また、取引自体は違法ではありませんが、特定商取引法で厳しい規制がかけられています

 

(参考)特定商取引法の規制対象となる『連鎖販売取引』

 

1.物品の販売(または役務の提供など)の事業であって
2.再販売、受託販売もしくは販売あっせん(または役務の提供もしくはあっせん)をする者を
3.特定利益が得られると誘引し
4.特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む)をするもの

※消費者庁「特定商取引法ガイド」より(http://www.no-trouble.go.jp/index.html

 

 

マルチ商法(連鎖販売取引)に設けられている規制

 

特定商取引法が定めている主な規制には次のようなものがあります。

job_kouji_stop

 

◇氏名や勧誘目的、勧誘にかかわる商品や役務の種類を明示しなければならない
◇重要事項を伝えなかったり、嘘をついてはいけない
◇勧誘相手を威迫して困惑させていはいけない
◇勧誘目的を伝えずに、一般のひとが自由に出入りしない場所で勧誘してはいけない
◇広告する場合は、決められた事項を表示しなければならない
◇事実と大きく異なる表示や実際より良いものだと誤認させるような表示をしてはいけない
◇承諾していない相手に電子メール広告を送ってはいけない
◇契約する場合は、決められた事項を記載した書面を渡さなければならない

 

 

被害事例

 

高額なサプリメントを買ってしまった

友人から50万円もするサプリメントを勧められ購入しました。

わたしも、このサプリメントを買ってくれるひとを紹介すれば、購入代金の一部が紹介料としてもらえるそうです。

紹介したひとがまた他のひとを紹介すれば、その度に紹介料が入るから絶対儲かるよ」といわれたので買ってしまいましたが、やっぱり解約したいと申し出ましたが、何かと理由をつけては引き伸ばしされ、結局応じてもらえませんでした

 

学生ローンで借金してまで契約させられた

いいバイトがあるから」と大学の先輩に誘われて、カタログ販売の事務所へ行き、代理店登録をしました。

35万円もかかる登録料なんて到底払えないと言ったのですが、「2ヶ月で取り戻せるから大丈夫」と貸金業者につれていかれ学生ローンで借りて登録料を払いました

結局、誰一人勧誘できなかったので、借金だけが残りました。

 

SNSに友達申請してきた相手と会ったら勧誘された

SNSで知り合ったひととカフェで会いました。

話が合ったのでまた会うことになり、後日、待ち合わせ場所行ってみると先輩というひとがきていて、オンラインゲームを紹介するネットワークビジネスに誘われました。

人脈が広がって就職に有利」「紹介料が入るから儲かる」という話だったので、登録してしまいましたが、ほとんど儲からないのですぐにでもやめたいです。

 

 

被害に遭ったときの対処方法

 

マルチ商法は、クーリング・オフによる無条件解約が認められています

hagaki

クーリング・オフができる期間は、契約書面を受け取った日から20日間以内(延長されるケースもあり)です。
販売会社および信販会社へ書面にて申し出をしてください。

 

クーリング・オフ期間を過ぎていても一定の条件を満たしていれば、商品を返品し返金を求めることができます。

<一定条件>
◇入会後1年以内
◇商品の引き渡し日から90日以内
◇商品を再販売・使用・破損していない

 

また、契約解除し組織から脱退することはいつでも可能です

 

クーリング・オフを利用できるかどうか?手続き方法は?など、分からないことがあったら、消費生活センター、お住まいの自治体の相談窓口、法テラスなどに相談しましょう。

 

 

最後に、マルチ商法で被害に遭わないために、契約前によく内容を確認し、冷静な判断をしましょう

知り合いからの紹介で断り辛いこともありますが、契約したことで紹介者以外のひととの関係も悪化してしまう恐れがあることを忘れないでください。

そもそも、簡単に儲かる話はないことをしっかり自覚しておきましょう