「保証人になる」ってどういうこと?

 

よく「保証人だけにはなるんじゃない」と言われますよね。

他人の借金の保証人になったがために、多額の借金を背負い一生を台無しにされたなんていう話を聞くと、この言葉の重みを感じます。

 

しかし、保証人が必要な場面はたくさんあり、頼まれたことがあるひとも多いのではないでしょうか。頼まれたことがないというひとも、今後、話がくる可能性は十分あります。

 

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「断ったら関係にヒビが入るかな」
「借金の保証人じゃないから大丈夫だろう」
「迷惑はかけないからと言っているし」
「手続き上、名前を貸すだけ」

 

などと、引き受けてしまいがちですが、本当に大丈夫でしょうか?

 

保証人になってと頼まれたときに慌てることがないよう、そして、知らなかった!と後悔することがないように、保証人制度について知っておきましょう。

 

 

保証人の責任とは?連帯保証人は契約者本人と同じ。

 

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保証人になるということは、どういうことなのでしょうか。

 

例えば、借金の保証人になると、債務者(お金を借りたひと)が返済しない場合に、保証人が債務者の代わりに借金を返済しなければなりません

 

これは誰でもご存知だと思いますが、実は、「保証人」と「連帯保証人」で責任の範囲が違ってきます

 

保証人は、債権者(お金を貸したひと)から返済の請求を受けた場合、「先に債務者に請求したください」と言うことができます。「催告の抗弁権」といいます。

 

また、債権者が債務者より先に保証人の財産を差し押さえようとしたら「先に債務者の財産を差し押さえてください」と言うこともできます。こちらを「検索の抗弁権」といいます。

 

一方、連帯保証人は、「催告の抗弁権」も「検索も抗弁権」も認められていません

お金を借りた本人と同じに扱われますので、直接、連帯保証人が請求を受けても拒否することはできません。

 

もしも、保証人になってと依頼されたら、「保証人」なのか「連帯保証人」なのかを確認しましょう。連帯保証人を求められることが多いので要注意です。

 

 

アパートを借りるときの連帯保証人。請求されるのは滞納家賃だけじゃない。

 

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借金の連帯保証人になると大きな責任を負うことが分かりましたが、マンションやアパートなどを借りるときの賃貸借契約の連帯保証人だったら安心してサインしてもいいのでしょうか。

 

こちらも安易に引き受けるのは考えものです。

 

まず、契約者が家賃を滞納した場合、連帯保証人が代わりに支払わなければなりません

 

それだけではなく、不適切な使用が原因で生じた損害賠償についても、連帯保証人に義務があります

例えば、壁に大きな穴を開けてしまった、トイレを詰まらせて壊してしまった、水漏れを起こして下の部屋の家具家電が故障した・・といった場合など、契約者が支払うべきものすべてに同様の責任を負います。

 

また、この連帯保証人としての責任は、契約者が賃貸借契約を続けている間はずっと続くことになります。

連帯保証人になったのが何十年も前の話だとしても、契約者が繰り返し更新しながら現在も住み続けているのなら、いまだに責任を負っていることになります。

 

 

入社するときの身元保証人だって賠償請求される可能性がある。

 

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会社に入社する際の身元保証人はどうでしょうか。

 

身元を保証するだけだからと思ってしまいますが、実はそうではありません。

 

「このひとは問題ないひとですよ」と人間を保証するわけではなく、そのひとが会社に対して何らかの損害を与えた場合、損害賠償責任を負うことになるのです。

 

一般的な借金の連帯保証人なら、だいたいいくらの支払いを背負うことになるのかが予想できますが、身元保証人はそうはいきません。将来どのくらいの損害を与えてしまうのかは分かりませんので、考えるだけで恐ろしくなってしまいます。

 

ただ、身元保証は最長でも5年と期間が決められています。

 

また、従業員が不適任や不誠実で会社に損害を与える恐れがある場合、職務を変更したために保証人の責任が重くなるといった場合には、会社から身元保証人へ通知しなければならないと決められています。

そして、通知を受けた場合は、以降の身元保証契約を解除することができるようになっています。

 

もしも、身元保証人になっている従業員が会社に対して大きな損害を与えてしまったとしても、すべてを賠償しなければならないというわけでもありません。

会社の過失、どうやって身元保証人になったのか、身元保証人として注意を払ってきたかなど、一切の事情を考慮したうえで、裁判所が身元保証人の負担を決めることになります。

 

身元保証人だとしても、損害賠償する責任があるということを忘れないでください。

 

 

大学入学のときの保証人。学費を請求される可能性もアリ。

 

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大学入学の際の身元保証人は、両親がなることがほとんどかと思いますが、何らかの理由で両親以外のひとがなることもあります。

 

大学の入学手続きでの身元保証人は、損害を賠償することが目的ではなく、親としての監督責任を持つ性質がメインになります。

しっかりと勉学に努めさせたり、大学から処分を受けたらそれに従わせたりといったことですね。

 

とはいっても、学費の滞納や、大学設備を壊したときなどの責任についても負うことになっていることがほとんどです。

 

大学入学の身元保証人になる際は、大学側とどういった契約になっているのかをよく確認しましょう

 

 

自分が知らない間に保証人にされていたら?

 

もしも、まったく知らされないで借金の連帯保証人になっていたら、返済義務があるのでしょうか。

 

息子が借金をする際に、勝手に父親の名前で連帯保証人の欄にサインをし、返済が行き詰ったときになって初めて父親が知ったといったケースです。

 

結論からいうと、連帯保証人になる意思がまったくなかったわけですから、返済義務はありません

 

上のケースでいうと、父親になされる請求をやめるよう、弁護士に依頼して債務不存在確認訴訟(支払い義務がないことを確認するための訴訟)を起こしたり、債権者に対して警告書を内容証明郵便で送ることが有効とされています。

 

方法は他にもありますので、お住まいの自治体の相談窓口や日本司法支援センター(法テラス:http://www.houterasu.or.jp/などに相談しましょう

 

なお、「絶対に迷惑はかけないから」「名前だけ貸してほしい」とお願いされて、保証人を引き受けた場合、例え相手が約束を守らなかったとしても、自分は騙されたんだ!!と主張して責任を逃れることはできません。

あくまで、保証人と債権者との間の契約ですので、支払い義務が生じます

 

 

ここまで、保証人についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

相手によっては、保証人になってほしいと言われたらどうしても断れないということもあると思いますが、万が一の覚悟を持ってサインをしなければなりません

 

ご参考までに・・こんな断り方をしているひともいるようですね。

 

「結婚するときに義父母と保証人にならないと約束した」
「亡くなったおじいちゃんの遺言で」
「過去にトラブルを起こして、自分だと審査に通らない」
「保証人になったら離婚される」