目次~この記事に書かれていること~
借金は、踏み倒せるのでしょうか?
お金を借りているひとなら、一度は、頭をよぎったことがあるかもしれません。
借金に時効があると聞いたことがあっても、詳しくはわからないのではないかと思います。
ここでは、『借金の時効』について、借りているひと目線・貸しているひと目線どちらからでも役立つよう、公平な立場でお話していきたいと思います。
時効の種類は、2種類。借金の時効は“消滅時効”。
一定の期間が過ぎたことで、権利がなくなったり、権利を得たりすることができる制度を、時効といいます。(民事上での時効。犯人が罪を逃れる刑事上の時効とは異なります。)
自分のものだと思って一定期間持っていると、所有権を得られるものを『 取得時効 』といいます。
一方、権利を一定期間行使しないと、行使できなくなるものを『 消滅時効 』といい、借金の時効は、こちらにあたります。
貸しているひとが、一定期間、債権を行使しないでいた場合、その債権はなくなってします 。つまり、借りているひとは 返さなくてもよくなる のです。
借金の時効は、5年 もしくは 10年。
借金がなくなる時効期間は、どのくらいなのでしょうか。
借金の時効期間は、貸しているひと、借りているひとが、会社かどうかによって違い、 どちらかが会社(商法上の商人)だと『5年』 、 どちらとも会社でないと『10年』 です。
◇消費者金融から
貸金業者からの借金は、時効期間は
5年
です。
◇銀行から
銀行は、会社ですので、時効期間は
5年
です。
◇信用金庫から
信用金庫は、営利を目的としていないので、会社ではないとされています。
そのため、個人が信用金庫から借りている借金の時効期間は、
10年
となるようです。
ただし、会社や個人事業主が、営業用の資金として借りたときは、
5年
です。
◇個人から
個人間での貸し借りの時効期間は
10年
です。
時効期間はいつから数えるの?
それでは、5年や10年という時効期間は、いつから日にちを数えたらいいのでしょうか。
◇返済期日が決められている
返済期日が決まっている場合は、 返済期日の翌日から 数えます。
カードローンやキャッシングは、毎月〇日などと返済日が決まっていますね。
その場合は、〇日の翌日からです。
ただし、 返済をすると、その次の返済日の翌日から となります。
ケース①
2月20日 1回目の返済日 → 返済せず
2月21日
時効期間スタート
ケース②
2月20日 1回目の返済日 → 返済
3月20日 2回目の返済日 → 返済
4月20日 3回目の返済日 → 返済せず
4月21日
時効期間スタート
◇返済期日が決められていない
特に返済期日を決めていなかった場合は、返してねと請求できる日から数えます。
一度も返済がなかったら貸し借りをした日の翌日 から、 一部でも返済があればその日の翌日 からです。
ケース①
2月1日 お金の貸し借り
2月2日
時効期間スタート
ケース②
2月1日 お金の貸し借り
2月20日 ちょっとだけ返済
2月21日
時効期間スタート
期間が過ぎただけでは借金はなくならない。“援用”すると借金が消滅。
実は、時効期間が過ぎれば、自然と借金がなくなるというわけではありません。
時効の援用、つまり、 借金の時効を主張して、初めて借金が消滅します 。
具体的には、速達証明付きの内容証明郵便で時効援用通知書を、借りているひとが貸しているひとに送るなどの方法があります。
内容証明郵便なら、いつどんな内容の郵便が送られたかを、郵便局が証明してくれます。
貸したひとの 承諾などは必要ありません 。
<時効援用通知書イメージ>
時効援用通知書
貴社よりの借入金は、既に消滅時効期間を経過しており、その間時効中断事由も見当たりません。従いまして、本書面にて、消滅時効を援用します。
これにより、債権は消滅いたしますので、今後、請求などをされないようお願いいたします。
平成〇年〇月〇日
通知者 〇〇県〇〇市〇〇△丁目△番地 (借りているひとの住所)
〇〇 〇○ 印 (借りているひとの氏名)
非通知者 〇〇県〇〇市〇〇△丁目△番地 (貸しているひとの住所)
〇〇〇〇 (貸しているひとの社名)
代表取締役〇〇 〇〇殿
※あくまでイメージですので、効力は保証しておりません。
時効が成立しない?!時効の中断とは。
◇時効期間が経過した後に
◇時効の援用をする
と、時効が成立し、借金自体が消滅します。
しかし、 時効の進行がストップし、それまでの時効期間の計算が振り出しに戻ることがあります 。『 時効の中断 』といわれるものです。
時効が中断になる原因は、主に、
債務の承認
、
請求
、
差し押さえ
の3つがあります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
債務の承認
借金をしていることを認めると、時効が中断します。
具体的にいうと、 債務を認める書類を交わす、返済猶予を求める、返済をする といった行為が、債務を承認したことになります。
・支払い約束書などにサインをする
・督促の電話で「もう少し待ってください」とお願いする(録音データが証拠になります)
・1円でも返済をする
このようなことがなされると、 時効期間の計算もいちからスタート となります。
たとえ、 時効期間が過ぎた後だとしても、時効の利益を放棄したものとみなされます 。
請求
裁判上の請求
訴訟を起こす
と、訴状が提出された時点で時効は中断されます。
訴訟が取り下げられれば、中断はなかったことになりまが、裁判が取られると通常5年で成立する時効期間が10年に伸びてしまいます。再度時効が進行し始めるのは、判決が確定してからとなります。
また、 支払督促の申し立て、和解の申し立て、調停の申し立て があった場合も、時効が中断します。
裁判外の請求
内容証明郵便で
請求が行われた場合、6ヵ月間は時効が中断
されます。
6ヵ月の間に、裁判上の請求などをしなければ、中断はなかったことになります。
差し押さえ
貸しているひとが、借りているひとの財産に対して、 差し押さえ を行うと、時効が中断されます。 仮差押え、仮処分 も同じです。
借金の時効成立『いつから』『どのくらい』『どうやって』
借金が時効になるまでの流れは次の通りです。
『いつから』
返済期日が決まっているなら→
返済期日の翌日
から
返済期日が決まっていない →
貸し借りをした日の翌日
から
ただし、一部を返済した場合は、 最後に返済した日の翌日 から
『どのくらい』
貸しているひと・借りているひとのどちらかが会社→
5年間
(銀行、消費者金融など)
どちらも会社でない→
10年間
『どうやって』
速達証明付きの内容証明郵便で
時効援用通知書を、送付
。
ただし、 債務の承認、請求、差し押さえなどが行われると、時効が中断する 。
借金はあくまで返すべきものです。
なんとかして逃げ切れないかと考えてしまいがちですが、非道徳的な方法で借金の時効を使うのはよくありません。
また、時効によって借金を帳消しにするのは、簡単なことではないとお分かりいただけたのではないでしょうか。
まずは返済していくことを考え、どうしても難しい場合は、借金問題の相談窓口などを活用して解決策を探しましょう。