年金受給者がお金を借りる。キャッシングは可能?

 

データからみる老後の生活費

 

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総務省の調査(※1)によると、65歳以上の世帯の消費支出の月平均額は

 25万5,825円 だそうです。

 

一方、実際に受給している年金額の平均(※2)は

 厚生年金 14万8,680円
 国民年金  5万4,250円  ということです。

 

受給額は1人当たりの金額ですので、会社員の夫と専業主婦の妻という夫婦で考えると、5万円以上足りない計算になります。

 

※1 「平成26年家計調査結果」(総務省統計局)
   世帯主の年齢階級別家計支出(二人以上の世帯)-2014年- より
※2 日本年金機構が公表している主要な統計情報(平成27年度9月)より

 

 

想定外の出費が発生したらどうなる?!

 

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65歳で定年を迎えたとしても、残りの人生20年30年とまだまだ長いですね。

その間、病気、介護、家の修繕、子供や孫の結婚・・生活費以外の出費が必要になることも、もちろん考えられます。十分な資金が確保できていれば話は別ですが、余裕があまりなくて困ってしまうときもあるのではないでしょうか。

 

お金に困ったとき、どのように捻出したらいいのでしょう。
年金受給者がキャッシングすることは可能なのでしょうか?

 

 

年金受給者へのキャッシング各社の対応は?

 

収入源が年金のみの場合、キャッシングで借り入れをすることはできるのか、各社の対応を調査しました。

 

まずは、大手消費者金融について。
どこも年金収入のみでは申し込みができません。年金以外に安定した収入があれば申込ができますが、年齢制限があり70歳以上だと消費者金融からの借入は難しいようです。

 

消費者金融 年金受給者の申込可否 年齢制限 金利(年率)
アイフル × 20歳以上69歳まで 4.5%~18.0%
アコム × 20歳以上69歳まで 4.7%~18.0%
プロミス × 20歳から69歳まで 4.5%~17.8%
モビット × 20歳から69歳まで 3.0%~18.0%

 

次に銀行のカードローンについて。
年金収入のみでも申し込みできるところもあればできないところもあり、銀行によって対応が分かれるようです。

 

キャッシングを利用したい場合には、銀行のカードローンということになりますが、やはり年齢制限がありますし、年齢的な条件をクリアしていたとしても審査に通るかどうかは申し込んでみないと分かりません。

 

銀行カードローン 年金受給者の申し込み可否 年齢制限 金利(年率)
三菱東京UFJ銀行カードローン バンクイック 20歳以上65歳未満 4.6%~14.6%
みずほ銀行カードローン 20歳以上66歳未満 4.0%~14.0%
新生銀行カードローン レイク 20以上70歳以下 4.5%~18.0%
オリックス銀行カードローン × 満20歳以上69歳未満 1.7%~17.8%
楽天銀行 スーパーローン × 満20歳以上62歳以下※但し、パート・アルバイトの方、及び専業主婦の方は60歳以下 4.9%~14.5%
じぶん銀行 じぶんローン 20歳以上70歳未満 2.4%~17.5%
イオン銀行カードローンBIG × 20歳以上65歳未満 3.8%~13.8%
東京スター銀行スターカードローン 20歳以上65歳未満 4.5%~14.6%

 

 

年金を担保に借りる『年金担保融資制度』

 

年金を担保にしてお金を借りられる制度があり、キャッシングと比べると大変低い金利で融資を受けられます。

 

◇どこで貸してくれる?

年金の受給権を担保にした融資制度は、2つあります。

独立行政法人福祉医療機構が行っている『年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業』と、株式会社日本政策金融公庫の『恩給・共済年金担保融資』です。

前者は、厚生年金保険、国民年金、船舶保険年金、労働者災害補償保険年金を受給しているひとが対象で、後者は、恩給、共済年金を受けているひとが対象です。

 

年金を担保にした貸し付けが法律で認められているのは、この2つだけ!!
コンサルティング(あっせん)業者を装って、手数料やあっせん料をだまし取る詐欺被害が発生しています。また、年金を担保にした質屋も違法ですので、年金手帳の提出を求められても応じないよう十分注意しましょう。

 

◇融資の条件は?

ここからは、利用者が多いと思われる独立行政法人福祉医療機構の年金担保貸付について説明していきます。

 

融資の条件は次の通りです。資金使途も広く認められていますし、金利も低く設定されています。保証人が要りますが、保証料を支払えば信用保証制度を利用できます。

 

資金使途 医療、介護、住宅、教育、冠婚葬祭、事業維持、債務の一括返済、生活必需品などさまざまな用途に利用できます。生活資金や旅行のためは不可です。使い道と必要額が分かる書類の提示が必要です。(融資額10万円超のとき)
融資額 次の3つを満たす金額の範囲内
1.10万円~200万円(生活必需品の購入資金の場合は80万円まで)
2.受給している年金年額の0.8倍(所得税額を除く)以内
3.1回あたりの定額返済額の15倍以内
利率 年1.8%(平成27年4月1日現在)
返済方法 独立行政法人福祉医療機構が年金を受け取り、返済額を差し引いた後、利用者の口座へ振り込まれます。定額返済額は、1回あたりの年金支給額の3分の1以下、1万円以上です。返済は偶数月のみで奇数月は返済に充てられません。
保証人 連帯保証人が必要です。信用保証機関による信用保証制度を利用することも可能。(要保証料)

 

なお、生活保護を受けていたり、同一の年金で融資を受けていて返済中だったりと、融資を受けられないケースがあります。

 

◇申し込みは?

申し込み手続きは『独立行政法人福祉医療機構代理店』と表示された金融機関(銀行、信用金庫、信用組合)の窓口で行えます。(ゆうちょ、労働金庫、農協は扱っていません。)

申込から融資までは4~5週間程度です。

 

年金担保融資制度を利用するときは、返済額を支払っても生活できるかどうかよく考えてからにしましょう。難しいようでしたら生活福祉資金貸付制度なども検討してみてください。

 

 

マイホームを担保に借りる『リバースモーゲージ』

 

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自宅を担保にして資金を借りることができるリバースモーゲージというローンがあります。
リバースモーゲージは、一定の年齢以上のひとを対象にしていて、年金収入のみでも借りられます。

 

一番の特徴は、月々の返済が不要で、亡くなった後に自宅を売却して一括返済するというしくみです。自宅の不動産価値に応じて決められた限度額の範囲内で、いつでも必要なときに融資を受けられ、生きている間は返済の負担がないので注目が集まっています。

 

不動産価値の下落や金利上昇などのリスクもありますが、自宅を遺す必要がないひとが老後資金を借りるのには適しているといえますね。

 

取扱金融機関の例

銀行 商品名 融資条件など
三井住友信託銀行 リバースモーゲージ(住宅担保型老後資金ローン) 満60歳以上満80歳未満。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県。土地評価額8,000万円以上。
みずほ銀行 リバースモーゲージローン「みずほプライムエイジ」 満55歳以上。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県。戸建ての場合、土地評価額2,000 万円以上。
三井住友銀行 SMBCリバースモーゲージ 満60歳以上。ご自宅の評価額(当行所東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県。評価額6,000万円以上。
東京スター銀行 「充実人生」新型リバースモーゲージ 55歳以上80歳以下。戸建ては全国。マンションは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪市、京都市、神戸市(東灘区・灘区・中央区・兵庫区)。

 

金融機関の他に、自治体などの公的機関によるものもありますので、あわせて検討してみてください。

 

 

悪徳業者に注意!

 

近年、高齢の方をターゲットにした悪徳な詐欺が急増しています

年齢や収入のせいで借りられるところが少なく困っていることにつけ込んできます。
甘い言葉をすぐに信用することなく、まずは家族や知人、相談機関に相談してください